(作家コメント)
里山のいのち豊かな土地に育ち、山の草木や小さな生き物と遊びました。
自然のいのちがもつ温かな光のようなものに触れたとき、美しさを感じます。
幼い頃から、自然も絵も、私の側にいつも優しく寄り添ってくれているもので、
描きあがった絵は、私を、人や社会、世界を繋いでくれるものでもありました。
日本画を描く上で最も大切にしていることが“写生”による対話です。
美しさを通して見える形、色、そして線に。
写生で得たものから日本画へと昇華させる作業は、とても楽しく、自然を素材にした日本画の技法は、幼い頃、自然と遊んだ私の体質に合ったものです。
昨年、宮島の弥山の雪山に登りました。
石楠花の花はまだ咲いていなかったけれど、幼いころの記憶が何度も蘇りました。
大きな自然との対話にちっぽけな自分の痕跡が残っていく不思議…。 面白い!