京都に生まれる。若くして書や篆刻の才能を認められ、一流の風流人との交流のなかで料理や骨董に興味を抱くようになり、大正8年には東京で「大雅堂芸術店」を開業、そして会員制の「美食倶楽部」を併設します。当初は販売用の古陶磁を食器としていましたが、会員の増加とともに器が不足すると自ら作陶に着手。その後は美食の殿堂「星岡茶寮」を開くなど、料理をとりまく総合的な美の世界を追求しました。その独特な審美眼と感性から生み出された芸術は、陶芸のみならず、書や篆刻、さらには絵画、漆芸、金工芸と多岐にわたり、いずれも日本・中国・朝鮮の古典を極めながら個性を盛り込んだ独創性が現在高く評価されています。