(作家コメント) 広島の大学在職中、宮島には何度となく通いました。地域文化財の白眉である平家納経を研究することになったからですが、当初はあまりに装飾的、工芸的に過ぎて距離を感じました。 けれど何事も続けてみるものです。装飾料紙の世界は唐紙つまり中国伝来の装飾紙への憧れからはじまり、宗達、光琳の様式美にもつながっていました。 少なからぬ示唆を与えてくれた広島や宮島の地との縁を感じています。