(作家コメント) 宮島口フェリー乗場から、宮島行きのフェリーに乗る。実に19年ぶりの宮島である。 デッキから懐かしい景色を眺める。「観音様の寝姿」といわれている山並みが徐々に鮮やかになってきた。まさに神の島そのもの。だが、その荘厳で圧倒的な造形は、どこかあたたかく、微笑ましい。 私はこの時、是非この不思議な風景の様をあらわしてみたいと思い、描くことを決めた。