紅白の花が華やかに咲き乱れています。「源平枝垂れ桃」という名は源氏と平氏の旗色が「白」と「赤」であることに由来しています。その花の色は、白が多い時もあればその逆もあり、毎年色の割合が変わる様子が、源平合戦を彷彿とさせます。
画家は、「いのちの連鎖のプロセスを全身全霊で伝えようとしている花の想いを受け止め」、絵を描くそうです。この作品も、多様な花弁が描写されており、年に一度桃が魅せる「繋がるいのちの過程」が感じられます。また、若葉や萼、幹、枝の全てが桃の息づかいを繊細に表現しており、まさしく「いのち」が紡がれた作品といえるでしょう。