なんと神々しい作品なのでしょうか。すやすやと眠る赤ん坊と、穏やかな表情で見守る母親が描かれています。その慈愛に満ちた眼差し、清らかな肌、赤ん坊を優しく包み込む様子は、まるで聖母のようです。出産や子育てを契機に、作者は人が生まれ、育ち、死んでゆく、繰り返される命の環に着目し、一瞬一瞬の輝きを昇華し続けてきました。この作品は、まさにその環の一瞬の輝きをとらえた崇高な作品と言えるでしょう。