漆黒の闇の中、滝の流れ落ちる様がダイナミックに描かれており、静寂の中の動的表現が目を引きます。
作者は現在活躍している日本画家の中で最も著名な一人です。描き方に特徴があり、普通ならば絵筆だけを用いるところですが、スプレーガンを用いて絵具を霧状にして吹きつけたり、水分をたっぷり含んだまま画面に垂れ流したりする技法を巧みに駆使し、滝壺の微妙に変化する波紋を絵筆で書きつけることで、海外でも評価の高い作品を生み出してきました。その一方で蛍光塗料を絵具として使用し、ブラックライトを照射することで、暗闇の中に浮かび上がる滝を表現するなど、作風の幅を広げています。