降り積もる雪の中で美しい花を咲かせる寒牡丹が描かれています。
牡丹は、もともと初夏の花ですが、寒牡丹は冬にも開花する品種です。葉は小さく、数も少ないですが、その分大輪の花が際立ちます。その生命力を表すかのように、花は大きく厚みがあり、それを支える茎は太く力強く描かれ、冬の寒さの中で凛とした存在感を放っています。
また、花に惹きつけられたかのように描かれている鳥はジョウビタキです。ジョウビタキは、毎年越冬するために日本に渡り、主に虫や木の実を主食としています。作品では、寒牡丹の周りに集まる虫を探しているのでしょうか。寒さを懸命に生き抜いていく生き物たちからは、いっそう懸命さや尊さが感じられることでしょう。