作者
牧 進 MAKI Susumu
作品名
慈雨の後 After Gracious Rains
制作年
平成25年
素材・技法
紙本彩色
表装
額装
サイズ
100.0×72.7cm

ほのかに光が射す石垣を背景に、空に向かって咲き始めた蓮の一群が描かれています。蕾から満開のものまで、5輪の花が各々開花の過程を示すように、一つ一つの様相が異なります。淡いピンク色の花弁は、雨後の雫をためるハスの葉の緑青と石垣の黒に映え、清澄な趣がいっそう高められているように感じられることでしょう。
この《慈雨の後》は、<春夏秋冬 -彩遊- 牧進>展に出品されました。その図録の冒頭で、画家は「制作に当たりましては、悔しいかな「年齢には勝てず」を思い知らされる一面もありましたが、気力を振り絞り、今の私の全力を出しきった作品が、ここに形をなしてくれております」と語っています。喜寿の年を迎えてなお、衰えを感じさせない優品と言えるでしょう。

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