作者
牧 進 MAKI Susumu
作品名
仲夏 Irises in Midsummer
制作年
平成4年
素材・技法
紙本彩色
表装
額装
サイズ
53.0×73.0cm

画面の中央に木製の橋がかかり、その上下に群生する白と青のハナショウブを描き分けています。簡略化された橋と、大振りに描かれた葉が、かえって写実的な花弁を引き立てていて、緻密さと大胆さが共存しているとも言えるでしょう。
この《仲夏》は、江戸時代の絵師・尾形光琳《八橋図屏風》(メトロポリタン美術館蔵)にインスピレーションを受けた作品であり、画家一流のオマージュであると考えられます。光琳の《八橋図屏風》では、群青のカキツバタの群生が描かれているのに対して、この《仲夏》では、ハナショウブが描かれています。この年、58歳を迎えた画家は、この花にどのような想いを込めたのでしょうか。

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