石垣を背景に、満開の紫陽花が大画面に描かれてます。青、赤、紫、白と色とりどりの花を咲かせる一方、金霞が荘厳な趣を醸し出していると言えるでしょう
画家は、この《紫陽花》について、次のように語っています。「紫陽花は生命力が非常に強く、地植えにすると3年も経たないうちに大きな繁みを作ります。その手鞠のような花は、青や紫、ピンクと変幻自在に花色を操っていて、日本の梅雨を艶やかに染め上げます。石垣の隙間に植えられた紫陽花は、緑の葉の中で宙に浮いたように咲いていました。その配置が玉のような紫陽花の愛らしさを強調しているような、新鮮な感動を覚え創作意欲をかきたてられました」。
平成4年 第10回京都府文化賞奨励賞を受賞し、海外研修に行った成果が垣間見える佳作です。