ここでは、太陽を中心にすえつつ、朝と夜の場景が、エキゾチックな三人の女性で表現されています。彼女たちは、生き生きとした美しい容貌をたたえつつ、堂々とした様相で、偶像的な宗教性も醸し出しています。画家は、この作品について、以下のように語っています。
「この作品は、古代エジプトの太陽神からインスピレーションを受けた作品です。中央の女神は太陽の象徴です。東大寺・法華堂に祀られている不空羂索観音像と同じように8本の腕を持ち、背中には銀色に輝く翼を大きく拡げています。右は朝、左は夜を表しています。大きな太陽のエネルギーを頭上に受けて、朝の清浄な日光も、夜の怪しく輝く月光も、すべて体に受け止め、今まさに大空に羽ばたこうとしています。新しい時代を切り開く女性の、溌剌とした姿を描きたいと思いました。」