この屏風作品について、画家は「源氏物語のテーマに因む扇面を、季節ごとに散りばめた屏風です。二枚の屏風をリズミカルに交差させることで、テーマごとに2枚の扇面が呼応する構図に心を砕きました」と語っています。右上から、下へと視線を移していくにつれて、12ヶ月の季節の移り変わりの機微を感じさせます。琳派の装飾性を、画家の感性で今風に編み上げた煌びやかな屏風と言えるでしょう。
①「梅枝」紅白梅と松、竹/ ②「早蕨」蕨とすみれ、たんぽぽ
③「花宴」桜と柳、波/ ④「藤裏葉」藤と燕
⑤「胡蝶」蝶と源氏香の胡蝶/ ⑥「螢」ホタルとホタルブクロ
⑦「蜻蛉」トンボと芙蓉花/ ⑧「若紫」桔梗と萩
⑨「朝顔」朝顔と蜘蛛/ ⑩「紅葉賀」紅葉と菊
⑪「松風」松と波、千鳥/ ⑫「行幸」雪持ち椿と雪華紋」